ずっと、そばにいたのに。

「玲子先輩、元気？」

「んー、元気だよ。あっちで最近彼氏作ったみたいだし」

「へえー、外人のドイケメンじゃさすがのコウちゃんも敵わないな」

「はは、でもコウちゃん先輩は、本気でうちの姉のこと好きだったわけじゃないでしょー」

「もはや玲子先輩いじり自体がコウちゃんの持ちネタだったもんね」

「そうそう。お姉ちゃんのあの軽蔑した目っ」

「あははっ」


コウちゃんがいた中学時代を思い出して、二人で笑った。


「でもお姉ちゃん感謝してたよ。コウちゃんのお陰で、今まで話しかけづらいオーラ放ってたみたいだけど、皆が話しかけてくれるようになったって」


その言葉に、一瞬笑顔が消えた。


「そっか、じゃあ、なんで……」