ずっと、そばにいたのに。
「ふふ」

「なんだよ」

「私さ、コウちゃんの良い所、この世界で一番多く知ってる自信あるよ」

「……」

「そんなのこの先も私しかいないんだからね。世間的に言ったら、コウちゃん顔しか良くないんだからね」

「なんて恐ろしいこと言うんだお前は……」

「だってコウ……」



ちゅ。


ほっぺに、柔らかいものが触れた。突然。

それから、ぽんぽんと頭を撫でられて、もう一度ほっぺにちゅーをされた。


……信号が青になって、何事もなかったかのように、車が発信した。
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