ずっと、そばにいたのに。
珍しく日曜日の夕方にコウちゃんがいた。コウちゃんのお母さんが教えてくれた。
私は黒のマジックで、ハート形に切ったフェルトに名前を書いて、名前を書いた面同士を内側にして貼り合わせた。
そしてそれに穴あけパンチで穴をあけて、リボンを通した。
「はい、コウちゃん! 恋のしおりだよ! これでラブラブだよ! 2人の名前書いといたからね!」
「あーはいはい、そこのジャンプに挟んどいて」
「これはがれやすいから大切に使ってよねー!」
「わーかった。いいからはやく出ていけマメ助」
「コウちゃんママ助けてー! コウちゃんがセクハラするー!」
「お前のどこにセクハラできるような部位があるんだ!」
無理矢理部屋から追い出されそうになったので、部屋から助けを求めると、すぐに階段をあがる音が近づいてきた。
そしてガチャッと扉が勢いよく開いた。