ずっと、そばにいたのに。
「わっ! ビックリしたー!」
コマチちゃんは、高校からクラスが分かれてしまい最近話していなかった女の子だ。
彼女はお嬢様として有名で、恋多き女としても名を馳せていた。特に年上キラーとして有名だった。中学の時は、コウちゃんも彼女のターゲットにされていたくらいだ。
「遠藤さんもお買いもの?」
「う、うん」
「お母さんと?」
「いや、えっと」
「マメ、はよこい」
調味料売り場からひょこっと顔を出して、コウちゃんが私を呼んだ。
コマチちゃんはそれを見逃すはずはなく、コウちゃんを見た瞬間パッと表情を輝かせた。
「コウちゃん先輩!」
「うお、びっくりしたー、コマチちゃん久しぶり」
「お久しぶりです、先輩すっごく大人っぽくなりましたねー」
「いやーもっと言ってもっと。くるしゅうない」
「あはは、やだー」