ずっと、そばにいたのに。
「うわー、めっちゃ白いよ、ねえ!」
「お前さー、突然駅に迎えに来るって、夜中に駅までふらふら歩いたら危ないだろー。俺があとでマメ母に怒られるんだからなー」
「大丈夫だって、私のお母さんコウちゃんと一緒なら全然怒らないもん」
「てかマメなんでそんな大荷物なん」
「今日友達ん家泊まるのー」
「へえ」
私は、午前中の授業を終えた後、コウちゃんのバイトがちょうど終わる時間まで寝て、ちょうど最寄駅がつく時間に迎えに来た。
改札を抜けたコウちゃんは、私を見つけるやいなや自分が巻いていたマフラーを私に巻きつけて、デコピンをした。
そして、文句たらたらコウちゃんは自転車を押しながら、私と一緒に今この桜並木の下を歩いている。