ずっと、そばにいたのに。
……あ、コウちゃん、今傷ついた顔してる。
ごめんね。でもしょうがないんだよ。本当はさ、あの提案、断ればこんなことにならなかったのにね。
『マメと付き合おうかな』
……本当は気づいてたのにな。
あの言葉の直前、コウちゃんはアイドルのブログを見てたんじゃなくて、玲子先輩にメールしてたってこと。コウちゃんがお風呂に入ってる間、送信者が表示された画面を、偶然見てしまったから。そこに玲子先輩の名前が表示されていたから。
……きっと玲子先輩からの返信は、コウちゃんの望んでいた返信じゃなかったんだろう。
布団から、コウちゃんが携帯を見つめる切なげな表情を見て、なんとなく悟った。
布団の中で、私も同じように胸が痛んだ。