ずっと、そばにいたのに。
マメは、かたくなに離さなかったジャンプをベッドに置いて、スタスタと部屋から出ていった。
もっと大騒ぎすると思ったのに、マメは意外と冷静に俺の受験を受け止めた。
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コウちゃんも、っていうのは、きっと、玲子のことを言っているんだろう。
俺の受験なんて、カナダの学校に留学する玲子に比べたら、ちっぽけなものだ。
そのことを考えると、なんだか無性にイライラしてきて、付箋だらけの参考書を、乱暴にベッドに投げつけた。
中学からこの学校に入ってきた玲子は、その容姿端麗さゆえに、あっという間に噂が広がった。
2年生までは違うクラスだったから話したことはなかったけど、3年になって初めて同じクラスになって、帰る方向が途中まで一緒だったこともあって、マメと梨子ちゃん含め一瞬で仲良くなった。
4人で帰ることが最近までの日課だった。
「コウ、模試の結果どうだった?」
「うるせー、どうせ玲子より下だよ」