ずっと、そばにいたのに。
翌日は、同じように4人で登校して、教室までは玲子とふたりで歩いた。
玲子は、俺がぶっきらぼうに答えても、ふふっと笑うだけだ。
「明日から、S塾通うんだってね。あそこの入塾テスト結構厳しいのに受かったの、凄いじゃん」
「うるせーバカにすんな」
「明日から4人で通えなくなるね」
「……玲子が海外なんか行くからだろ」
「……え?」
俺の言い捨てるかのような台詞に、玲子が立ち止った。
まだ殆ど人のいない廊下に、気まずい沈黙がおちた。
「……7年だよ。私がこっちに本格的に戻る頃には、もうお互い社会人なんだよ」
「だからなんだよ。それが断った理由かよ」
「コウはさ、プライドが高すぎるんだよ。この学校が好きなら、変に私と張り合わないで、マメちゃんたちもいるここに残るべきなんだよ、コウは」
「別に張り合ってねーよ、お前なんかと」
「じゃあもう辞めよう、この話は。もう今日で最後にしよう」
「……そうだな」