ずっと、そばにいたのに。
「コウはね、本当はマメちゃんみたいに可愛くてほっとけない子が好きだから」
「100%ないですっ! だってコウちゃん年下とか好きになったことないしっ」
「コウはアイドル大好きな時点で可愛い系が好みなのよ、そう思わない?」
「……思いません、だってコウちゃん、玲子先輩のこと……」
そう言うと、玲子先輩はちょっと困ったように笑った。
「きっとコウと付き合っても、上手くいかなかったと思うの。お互いプライド高くて、自分のこと賢いと思ってて、自分を過信し過ぎて、他人を中々信じない所が、あるから」
「そんなこと……」
「あるのよ。実際ね、コウはね、私より自分を信じることが何回もあった。自分の答えが一番正しいと思ってるから、絶対に曲げないし折れない。相当頑固で、それはお互い様だった。分かってたのうすうす、惹かれていても、付き合ったらぶつかる所が多すぎるって、お互い」