ずっと、そばにいたのに。
私はこくりとうなずいて、二階にあがった。
布団を被って、きつく目を閉じて、コウちゃんのことを考えないようにした。
けれど、そう思えばそう思うほど、コウちゃんの言葉と、玲子さんの言葉が頭の中を駆け巡って、寝れなかった。
寝室に入った梨子が、小さな声で『寝た?』『話せる時が来たら、なんでも話してね』『おやすみ』とささやいて、思わず泣きそうになってしまったのを、ぐっとこらえた。
「じゃあそろそろ、パーティー始まると思うので」
「マメちゃん本当に帰っちゃうのー?」
「はい、玲子さんお元気で! 梨子、突然なのに泊まらせてくれてありがとう」
「全然いいよ。用事終わってもし来れたら来なよ」
「うんっ」
私はニコッと笑って、お辞儀をした。
玲子さんに再会できて、良かったな。
コウちゃんが玲子さんを好きな理由、すごくすごくよく分かった。