ずっと、そばにいたのに。

青ざめた私は大声を発して、ベランダに飛び出た。

バイクを駐車し終えたコウちゃんがそんな私の行動を目撃して、

「なにしてんだ風邪ひくぞ!」

と怒鳴った。


「今すぐここまでぶっ飛んできてコウちゃん!」

「な、なんて無茶なこと言うんだお前は……」

「はやく!」


私の発言に白目をむきながらも、コウちゃんは走って家に入り、素早く階段をあがり、自室に入り、ベランダから私の部屋に入ってきてくれた。

私の家は、2階建ての一軒家がつながったようなつくりで、玄関は別々だけど、家自体は4つ繋がっている。だからベランダは楽に行き来できる。


「どうしたマメ!」

「Gがいて部屋に入れぬ!」

「それは専門外だ! じゃあな!」

「ちょっとー!」
< 8 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop