ずっと、そばにいたのに。
「めっちゃ即興で作ったから、超雑だけど」
「コウちゃん字ぃ汚い」
「うるせえ、書きづらかったんじゃ」
「ふふ」
「笑うな」
「あはは」
「笑うなって。超まじだから」
「おまじない?」
「そう。マメと両想いになれるおまじない」
「……本気で言ってるの」
「本気が伝わらないならこれ百個作ったっていい」
「いらない」
「えっ……」
「……ちゃんと言って」
「……マメ」
「ちゃんと、言って、コウちゃん」
そういうと、コウちゃんは一層真剣な表情になった。
私の瞳を見つめて、一回目を逸らして、また見つめた。
冷たい風が、さらっと頬を撫でた。