ずっと、そばにいたのに。
Gという言葉を聞いて、コウちゃんは速攻戻ろうとしたけど、私はそんな彼の服を引っ張った。
「やめろ! 寒い! 死ぬ!」
「このまま心中しよ~」
「怖えーよ! 震えたわ! 分かったから離せ、いややっぱり掴まれ!」
「どっち!」
「マメ、離れんなよ」
「え!」
コウちゃんにぐっと抱きかかえられて、私は気づいたらコウちゃんの家のベランダに着地していた。
コウちゃんののど仏がすぐ目の前にあって、かなりドキッとした。
なにより、コウちゃんの力が強くて、コウちゃんが凄く大人に思えて、信じられないくらいドキドキした。
「コウちゃん……」
「やめろ女の目で見るな」
「つ、冷たいにもほどがある……」
「今日はこっちで避難しな」
「はー、かっこつけて言われてもGを倒せなかった後じゃ……」
「そんなこと言うならお前ベランダで寝ろよな」