どうやらホラーゲームの世界に迷い込んでしまったようです
「夏生が、このゲームの参加者。そんな」
「言っとくけど、僕はつまらない嘘は嫌いなんだ。変に疑ったりしないでくれよ」
時間の無駄と言わんばかりに、手を挙げて首を横に振る影。
「というか、君さ。僕との状況把握出来てる割に随分冷静だね?」
「お前には、そう……見えるか?」
「少なくとも、今までのゲーム参加者の動揺っぷりから比較すれば、君はまるで経験者のように冷静だ」
影は表情を変えずに、いや、この会話の中で一番真剣な表情でそう言った。
「そりゃ、どうも。ついでに、他の参加者についても聞きたいところだけど」
「そりゃ、酷い動揺っぷりだった。あまりの恐怖に叫び散らす女子大生とか、生まれたての小鹿のように足が震えて走れない男子学生とかね」
僕は、そんな恐怖が今のところ植えつけられてないけど。
これから、そんな目に合うのか……?
夏生も、同じような目に。
「あぁ、別に僕の言い分を聞いてくれるなら、無茶な事はさせないよ」
「へ?」
「さっきまでのは自分の影と会話が成り立たなかったケースだからね。だから、何も教えずに強制鬼ごっこを開始して、今もどこかで逃げてるんじゃないかな」
今も、どこかで。
影は遠い目で僕の後ろを眺める。
僕も合わせて、同じように背後へ振りかえる。
『ダ ズ ゲ デ』
「うわぁぁ!!!」
背後には、顔半分が無くなってた女性が僕を覗きこんでいた。
「ひっ」
『アダラシイ コ オニゴッゴ ズル?』
「こ、この人は、鬼ごっこでこうなったのか?」
影に問いかける。
「そうだよ、自分の影に追いつかれたら体の一部が鬼のような形相になる。本来はね」
「本来は?」
「けど、本人と影との合意があればゲームのルールを変えることが出来るんだ。勿論、ルール違反をした場合は問答無用で影は殺しにかかるけどね」
影はさらっと答えるが、この女性はどんなゲームを提示したんだろう。
「あ、勘違いしないでね。この女はゲームのルールを、自分の影の存在を受け入れなかった、ルール違反の後者でこうなっているんだよ」
女性は、鬼のような形相で、尚死ぬに死ねないといったような絶望が感じられる。
「あ、あぁ……僕も、こうなる運命なのか?夏生も、酷い目にあっているのか?」
「それは、君次第だよ。星岡 明」
「言っとくけど、僕はつまらない嘘は嫌いなんだ。変に疑ったりしないでくれよ」
時間の無駄と言わんばかりに、手を挙げて首を横に振る影。
「というか、君さ。僕との状況把握出来てる割に随分冷静だね?」
「お前には、そう……見えるか?」
「少なくとも、今までのゲーム参加者の動揺っぷりから比較すれば、君はまるで経験者のように冷静だ」
影は表情を変えずに、いや、この会話の中で一番真剣な表情でそう言った。
「そりゃ、どうも。ついでに、他の参加者についても聞きたいところだけど」
「そりゃ、酷い動揺っぷりだった。あまりの恐怖に叫び散らす女子大生とか、生まれたての小鹿のように足が震えて走れない男子学生とかね」
僕は、そんな恐怖が今のところ植えつけられてないけど。
これから、そんな目に合うのか……?
夏生も、同じような目に。
「あぁ、別に僕の言い分を聞いてくれるなら、無茶な事はさせないよ」
「へ?」
「さっきまでのは自分の影と会話が成り立たなかったケースだからね。だから、何も教えずに強制鬼ごっこを開始して、今もどこかで逃げてるんじゃないかな」
今も、どこかで。
影は遠い目で僕の後ろを眺める。
僕も合わせて、同じように背後へ振りかえる。
『ダ ズ ゲ デ』
「うわぁぁ!!!」
背後には、顔半分が無くなってた女性が僕を覗きこんでいた。
「ひっ」
『アダラシイ コ オニゴッゴ ズル?』
「こ、この人は、鬼ごっこでこうなったのか?」
影に問いかける。
「そうだよ、自分の影に追いつかれたら体の一部が鬼のような形相になる。本来はね」
「本来は?」
「けど、本人と影との合意があればゲームのルールを変えることが出来るんだ。勿論、ルール違反をした場合は問答無用で影は殺しにかかるけどね」
影はさらっと答えるが、この女性はどんなゲームを提示したんだろう。
「あ、勘違いしないでね。この女はゲームのルールを、自分の影の存在を受け入れなかった、ルール違反の後者でこうなっているんだよ」
女性は、鬼のような形相で、尚死ぬに死ねないといったような絶望が感じられる。
「あ、あぁ……僕も、こうなる運命なのか?夏生も、酷い目にあっているのか?」
「それは、君次第だよ。星岡 明」