ある日、ビルの中、王子様に囚われました。


彼の言葉は、私を酔わせる。
甘くて、優しくて、それでいて綺麗な言葉使いで。

私は、あれよあれよと言う間に流され、彼の言葉通りベットの上で寝ころび寛いでしまっていた。

これは監禁?

でも携帯は奪われなかったし、部屋のキーは入口の差し込み口にさしたままだし。

私、朝、すっごくテンパっていたからお兄ちゃんの言葉に、慌ててしまったけどこれって本当に大丈夫なの?

お昼にまた来ると、天宮さんはオフィスに戻ってしまったけれど、もっと私は危機管理を持たないといけない。

天宮さんが来たら、ガツンと言ってやろう。
ガツンと。
「やはり、成人した大人が仕事にも行かずにホテルでゴロゴロなんて駄目だと思い……うわあ何これ美味しい」
「こちらは四季折々の旬の食材を大切にしてるんで、その時、その時にしか食べれないものばかりですよ。もう少しすれば、数日間限定で数食だけ美味しい鰻が食べれます」
「うわぁ、凄い。それに、見た目もすっごくこう、和っていうか、もう、綺麗で美しくて、壊したくない」
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