夢見日和〜会えない貴方に恋してる〜
「綾乃…しっかり考えなさい。」

お母さんは部屋に閉じこもった私に説得をし始めた。

「出てきなさい。学校は?行かないの?
あなたにはあなたの人生があるって言っ
たでしょう?それじゃあ…

碧斗くんの気持ちはどうなるの?」

碧斗の?気持ち?

「どういう意味?」

「これ読んでしっかり考えなさい。」

……これ。

お母さんが階段を降りたあと 私はそっとドアを開けた。

「手紙?」

薄紫の便箋が二つ折りにして、廊下に置いてあった。お母さんが置いていったのだろう。

「綾乃へ…碧斗の字だ。」

それは碧斗が、亡くなる一週間前に書いたらしい「手紙」だった。
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