桜は櫻
桜は櫻
桜は散る散る散るばかりさみしい花
そんな歌を口づさめば
「花が木を取り巻き咲くから櫻なんだよ」
よくそう言って慰めてくれたね
「そうするとあの木はあなたなのね」
あの時私はそう言ってゴツゴツした樹を優しくなでた
いつか誰かがお花になったあなたのまわりを囲うでしょう
いつか綺麗に咲くのでしょう
そして風が吹いていつか散ることになったとしても
ずっとずっと樹の幹だけは残るの
小さな小さな実を付けて今度は小鳥が囲うでしょう
最後に赤い葉も落ちて寒い冬を耐え抜けば
たくさん芽吹いて春になる
あなたを見る人たちは足を止め息をのむのでしょう
いつか誰かがお花になったあなたのまわりを囲うでしょう
いつか綺麗に咲くのでしょう
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

天に降る雪

総文字数/9,049

ファンタジー7ページ

表紙を見る
詩集1

総文字数/1,398

詩・短歌・俳句・川柳6ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop