手を取り合って

そして、おじいさんとおばあさんのように、何も知らないうちから、嫌って、怖がって、憎しみを持って、恐れていたでしょう。




「…正直に話してくれてありがとう。」





凛太郎は小さい声で、それでいてハッキリと伝えました。




「ぼく、知らなかった。おじいさんとおばあさんの話ばっかりが本当だと思ってた。知らないのに、怖がってた。本当にごめんなさい。」







女の子は優しく「あなたは悪くないよ。」と言ってくれました。どこまでも優しい人なんだろう。





「僕、なんだか恥ずかしいよ。ねぇ、本当のことをみんなに知ってもらおうよ!そしたら、みんなで仲良く遊べるでしょ?えがおになれるでしょ!?」





今度はちゃんと女の子にしっかり聞こえる声でさっきよりもはっきりと伝えました。






「僕は、君のあの笑顔が大好きなんだ!僕、まだ6歳だけど、大人になるまでたくさん時間があるから、二人でみんなを笑顔にしよう!?
ど、どうかな…?」




最後は緊張してうつむきながら手を差し出しました。幼いながらに必死に考えた言葉でした。






すると、頭の上の方から泣く声がしたかと思うと凛太郎の手に暖かくて優しい手が重なりました。


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