ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「拓巳!? 和馬さん!? な、何してるのこんなところで」
ふいに、聞きたくてたまらなかった、あの人の声がして。
パタパタと軽やかな足音とともに、
奈央さんがエントランスから現れた。
全身に目を走らせて、そのスカートにもシャツにも、乱れがないことを見て、
オレは心の底からほっとした。
「奈央ちゃん」
奈央さんの腕を、新条の手がつかんで引き寄せる。
「かっ和馬さん……?」
「彼ね、君と俺がつきあってもいいってさ」
「え……?」
奈央さんの目が、オレと新条を行き来して。
「あんなのやめて、俺にしとけよ。仕事でもプライベートでも、俺なら君のベストパートナーになれる」
そのまま新条の指が奈央さんの頬を撫でて。
唇が近づいた。
カッと血管を、熱い何かが駆け巡る。