ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
じゃあ、まさか2人は半年以上前から知り合いで。
もしかして最初の電話から、仕組まれてた!?
「奈央ちゃん、これ返すよ」
歩み寄った新条は、奈央さんの手にスマホを落とした。
「あ、携帯会社と連絡とれたんですか? クレジットカードとか、銀行のカードとか、止めました?」
「奈央ちゃん、人をそんなに簡単に信じるもんじゃないよ。平気で嘘つく悪い男も、世の中にはいるんだからさ」
「え……う、嘘? ……カバン置き引きされたって、嘘なんですか!?」
あっけにとられる奈央さん、そして訳がわからないオレの前で、
にやにやと笑いながら、新条とナディアは慣れた様子で車に乗り込んだ。
「あぁそれから」
助手席の窓が開いて、新条が顔を出した。
「彼女は今回の件、無関係だから。まさか倒れるとは想定外で、さすがの俺も泡食ったけどね。てわけで、もしまた、俺の大事な妹に無理させるようなことがあったら、その時は手加減なしでぶっ潰すから、覚悟しとけよ」
さらなる謎の言葉を残して、ベンツは走り去っていった。