ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
8. 嫉妬の顛末
「……カフェオレ、飲む?」
部屋に入るなりキッチンへ行こうとする奈央さんの腕を引き寄せて
ソファへ座らせると、オレも隣へ腰を下ろした。
たくさん話さなきゃいけないことはあるけれど。
まず……
「妹ってどういうこと?」
新条が最後に放った、あの言葉がひっかかっていた。
親父がまさかバツ2だったとか、そういうオチはやめてくれよ?
すると、奈央さんはおかしそうにくすくす笑う。
「勘違いしないで。わたしは、正真正銘一人っ子だから」
「じゃあ……?」
「将来、そうなるかもしれないよねって話」
「え?」
しょ、将来?
「和馬さんとは地元が一緒で、仕事で顔合わせるたびに、ローカルネタで盛り上がってたんだけど。少し前にね、親同士が同じ職場に勤めてることがわかって」
「親同士?」
「そう。うちのお母さん、今リハビリ施設で看護師やってるって話したことあったでしょ?」