ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

離れていこうとするその手を再びゆるくつかんで、引き留めて。
振り返った彼女に、視線を合わせた。
「拓巳……?」

まだ、話は終わってない。

「奈央さんも、オレに聞きたいことあるよね?」

「あ……」
一瞬、その瞳が不安そうに瞬いて、そして、すっと逸らされた。

「だ、大丈夫」

「え?」

「信じてるから。拓巳のこと、信じてるから、だから大丈夫」

「奈央さん?」
やっぱり、オレを見ようとしない。

「平気だから。拓巳の過去に、何百人の彼女がいたって、どんな美女とつきあってたって。気にしないから。今はわたしのこと見てくれてるって、信じてるから」

オレは、その細い肩が小刻みに揺れていることに気づき、ギョッとした。
ナディアのヤツ……一体何を言ったんだ?

高城さんの話だと、オレにふさわしくない、だったっけ?
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