ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

「……散々……遊んでたって。毎晩、違う女の子……相手してて。拓巳の好みは、胸もお尻ももっと豊かなヨーロピアンで、ガリガリのアジア人なんか……わたしなんかじゃ、満足できないだろう……って」

「はぁ!?」
オレはカタカタと戦慄く手を必死で押さえた。

あ……のやろ……っ!
今度会ったらぶっ殺すっ!!


深く深く、呼吸する。
落ち着け。オレ。
冷静になれ。
だってそれは……全部嘘ってわけじゃない。
少なくとも、一部は真実だ。


オレは何拍かおいた後、切り出した。
「確かに、女関係派手だったことは……否定しない。毎晩、ではなかったと思うけど」

そういうと、奈央さんの目がわずかに震えて、再び涙のベールに覆われる。

ごめん、奈央さん。
ほんとに、バカだった。あの頃のオレは。
「必死だったんだ。奈央さんを忘れなきゃって」

「……え?」
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