ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

「オレのこと振り向いてくれる可能性なんてゼロだと思ってたから。だから忘れなきゃって必死だった。でもオレの心にはいつも奈央さんがいて。他にどんなヤツなら好きになれるのかなんて、自分でもわからなかったから。だから、確かに手あたり次第だった。アジア人だろうと白人だろうとね。結局、相手に奈央さん重ねて抱いてただけ、なんだけどさ」

その最中に、思わず奈央さんの名前を呼んでしまって、修羅場になったこともあったっけ。
——ナオって誰よ!? どういうこと!?

「結構めちゃくちゃやってたんだけど。ある時さ。ナディアにひっぱたかれたんだ」

「ナディアさんに?」

「数日手形が消えないくらい、強烈なやつ」
あの時の痛みを思い出して、オレは顔をしかめた。

「本当に欲しい子は他にいるくせに、いつまでも何バカやってるんだ、ってさ」

オレもブチ切れて、大げんかになった。
——お前なんかに何がわかるんだ! 絶対結ばれないってわかってる相手、思い続けて忘れられなくて、それがどれだけ苦しいか、お前にわかるかよっ!

——わっかんないわねえ。全然。っていうか、そもそも、絶対結ばれないって、いつ誰が決めたのよ?

——それはっ……
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