ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
——『運命』とか『神様』とか、女みたいなこと言うなら、もう一回ひっぱたくわよ? 結局は逃げてるだけじゃないの。ぶつかってみもしないで、何あきらめてんのよ! 日本の男ってどんだけチキンなの! あんたの人生はね、神様のものじゃない。あんたのものよ。あんたが自分で選んで、自分で作るの。そうしていいのよ! 何も選ばず、流されて、あきらめて、やけになって。そんなの何も手に入らなくて当たり前じゃないの!
そうだ。
あのナディアの言葉があったから、オレは日本に帰る決心がついた。
奈央さんに、すべてをぶつけてみようと思えたんだ。
「その時ナディアに言ったんだ。『お前がいてくれてよかった、ほんとにお前はスペシャルな奴だよ』って。恋愛対象としてじゃなくて、恩人て意味でね。オレとナディアは、つきあってたわけじゃないよ」
すべてが規格外のナディア。
でもその言葉はいつも筋が通っていて。
オレは確かに、救われたんだ。
「でも……同棲してた、のよね?」
ぽつりと声がして。
その唇が苦しそうにきゅっと結ばれた。
「わわかってるの。つまんないこと気にしてるって。あの、ごめんね……気にしないでっ」