ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

「男だよ。本名、ネザー・トレヴィス」
一息に告げる。
すると。


「…………」


「奈央さん?」
ヒラヒラ、目の前で手を振ってみる。

あ、固まってる。

もしかして奈央さん、そっち方面免疫なかったのか?
マスコミ業界の人なら当然慣れてると思ったんだけど。

そして数秒間の空白の後。

「え、えええええええええええええっっっ!?」
奈央さんの体がのけぞり、
ひっくり返りそうになるから、オレは急いで腰を引き寄せた。
ようやく奈央さんの口がパクパクと動き出して。

「どどどっからどう見ても女の人でしょ!?」

ナディア、よかったな。完璧、女だと信じてもらえてたぞ。
絶対教えてやらないけど。

「いや、スッピンだとどっからどう見ても男にしか見えない」
オレはきっぱり、断言する。

家にいる時は基本スッピンだったから。
メイク後の顔を見ても、オレはナディアが女に見えたことはない。
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