ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

予告なく立ち上った色気に、一瞬くらっとしてしまったオレは、
必死で自分を叱咤しながら、耳に神経を集中させた。

「わたしの、こと……」

「うん?」

「……だ、抱かない……の?」


どくんっ……


あぁそうか……
奈央さんは、気づいていたんだ。
彼女に触れるのを、避けていたこと。
意図的に、避けていたこと。

オレは、はあっと大きくため息をついた。

最悪だ。
最低だ。
大切な人に、こんなこと言わせてしまうなんて。

「やっぱり……わたしじゃ、満足……できない?」

「んなわけないだろ」

「でも……っ」

「奈央さんは、悪くない。何も。悪いのは、全部オレなんだ」
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