ヴァージンロード <続>Mysterious Lover


——あ……


足が、震えて。
言葉がでなくて。


——先生? へぇ。それが新しい男か? 教師でもしてる奴なのか?

工藤はオレを突き飛ばし、土足で部屋にあがりこんだ。


——何するの!? 出ていって!

——どこだよ、お前の新しい男、ぶちのめしてやる。

——帰って! そんなのいないわよ!

——いない? そんなわけないだろう?

工藤の手には、ギラギラと光るナイフが握られていて、オレもお袋も震えあがった。


——拓巳っ逃げなさい!!

オレを外へ押しやろうとして、足をすべらせ、倒れ込んだお袋の上、工藤は馬乗りになって、その顎をつかむと。
ナイフを首に突き付けた。
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