ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「…………」
オレは、降ってくるだろうきつい声を、待ち受けた。
ところが。
香澄さんは、何も言わなかった。
否定も肯定も。
罵倒もなぐさめも——
続く静寂の中で、
ただ、自分の心臓の音を聞きながら、オレは待った。
握りしめた手のひらから伝わる、彼女のぬくもりだけを道しるべのようにして。
そして。
ようやく沈黙をやぶった香澄さんの言葉は、
まったく予想もしていなかったものだった。
「いくつだったの?」
「……はい?」
一瞬何を言われたのか理解できず、オレは聞き返した。