ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「あなたが気にしている、その事件が起きた夜っていうのは、いくつの誕生日の時だったの?」
想定外の問いかけに面食らいながら、オレは急いで記憶を巻き戻した。
小さなアパート、畳敷きの和室、小さなテーブルが置かれたリビング。
その片隅に……そうだ、ピカピカのランドセルがあった。
あれは、小学校に入ってから……7歳の誕生日を祝っていた時だ。
オレがそういうと、奈央さんはハッと顔を上げた。
「拓巳、それ……」
香澄さんが、小さく笑う。
「奈央も気づいたでしょ」
え……?
「あのね、夫の……元夫のことが原因で私が自殺未遂を起こしたのは、奈央が小学校の2年生の時だったの」
あぁ、確か奈央さん、前にそんなこと言ってたっけ。
「あなた、奈央より4つ年下なんでしょ?」
え……
ピシッと……
何かが、電流のように体を駆け抜けた。