ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「これ……」
と、息をのみ、弾かれた様にオレを見る。
その目を見つめ返して、息を吸い込んだ。そして。
「絶対、幸せにするって誓うから。だからオレと、結婚してください」
「たくみ……」
それきり奈央さんは口をつぐむ。
みるみる、その目に再び涙があふれて。
ポロポロ、ダイヤモンドみたいに煌めく粒が、頬をころがり落ちていく。
「……ぃっく…っ……」
う。
か、かわいい……
香澄さんの前じゃなかったらっ……
オレはぐっと邪な想いを振り払って、返事を待った。
そしてようやく……
「ほらっ奈央! もうっ早く返事しなさいっ!」
焦れた香澄さんの声に押されるように、奈央さんは「はい」って小さく、頷いてくれた。
身体の隅々まで、ひたひたと満ちていく喜びを感じながら、
オレは奈央さんの左手を取り、その薬指に指輪をはめた。