ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
あの人は、一体誰だろう?
ベッドに寝転んで、天井を見上げながら
心臓の音が、うるさかった。
親父の……まさか、若い愛人とかじゃないよな?
ごくごくっと唾を飲み込む。
嫌だ……そんなのは、絶対に嫌だ。
気になって気になって仕方なくて。
またあの写真を見たくて、親父の留守を見計らって、書斎に忍び込んで。
違うページに挟まれていた、もう1枚の写真を見つけた。
幼い女の子が、若い頃の親父に抱かれて笑ってる写真だ。
その女の子が、あの写真の人と同一人物であることは、一目瞭然だった。
裏には、「奈央、3歳」と書かれていた。
親父とお袋がバツイチ同士の再婚だってことは知っていたし、親父と前の奥さんの間にオレより年上の娘がいることも知ってる。
ちなみにオレはお袋の連れ子で、親父と血のつながりはない。
じゃあこの人は……
奈央さんは、親父の娘ってことか。
オレにとっては、姉、って言ってもいい存在。
そこまで考えた時。
オレはおめでたくも、彼女との関係に赤い糸みたいなものを感じてしまった。