ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
姉といっても、血はつながってないし。
恋愛だって結婚だって可能じゃないかって。
……バカだ。本物の、バカだ。
でもその時はなにも気づかず。
ただ、奈央さんとの運命めいたつながりで、頭がいっぱいになっていた。
本物の彼女に初めて会えたのは、それから数か月後、
なんとか近づくチャンスはないかと探していた時。
偶然T大で大学祭が開かれることを知って、迷うことなく出かけた。
朝の開場時刻ぴったりに入って、広大な敷地内に設置されたイベントブースを
とにかくしらみつぶしにあたっていく。
でも、オレは彼女の学部もサークルも知らなかったから。
自分がどれほど無謀なことをしているのか悟るのに、そう長くはかからなかった。
人であふれかえる構内、歩いても歩いても、彼女らしき人には出会えなくて。
しかも、やたら女子がまとわりついて、「うちのサークル、そこで○○やってるんだけど寄っていかない?」とか声かけてくるし。
しまいには、「一緒に写真撮ってもらえませんか」とか取り囲まれたりもして。
オレは動物園のペンギンかっ!
って、うんざりぐったりしてるうちに、終わりの時間が近づいてきて。
オレは焦りまくった。