ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
オレは、それから
暇を見つけては、T大に通うようになった。
私服姿で紛れ込んでしまえば、誰に止められることもなく簡単に入れたから。
アイドルの追っかけかストーカーか、って思うくらい。
構内のカフェとか、図書館やバス停……
友達と笑ったり、勉強したりする奈央さんを遠巻きに見つめた。
言葉を交わすこともないまま。
数か月が過ぎた。
こんな遠くからじゃなく、もっと近くで。直接話したい。
オレを、見てほしい。
オレのことを、知ってほしい。
あの人の声が、聞きたい。
あの人に……触れたい。
でも、いきなり自己紹介して、彼女はオレをどこまで意識してくれるだろう?
オレはまだ高校生で、彼女から見たらほんのガキだろうし。
じゃあ、どういうタイミングならいいだろう?
どんな言葉で告白すれば?
日々心の中に積み重なって、大きくなっていく彼女の存在を想って、
悶々として。
もう、気が狂いそうになって。