ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
——……か、すみさん……て、奈央さんのお母さん?
唇から漏れたのは、自分のものじゃないみたいな、しわがれた声。
——あぁ、そうだよ。
その時ようやく、
オレは自分の愚かさに気づいた。
ああ……つまりオレは。
奈央さんにとって、オレは。
自分とお母さんから、お父さんを奪った、憎い愛人の息子……ってことか。
しかも、しかも……
それだけじゃなく……オレは……
どうやって自分の部屋に戻ったのか、覚えていない。
気づいた時には、ベッドに寝そべって、天井を見上げていた。
じわりと、じわじわと、胸に痛みが染みていく。
この片想いは……絶対に実らないだろう。
どんなに、想っても。
どんなに、想っても。
絶望的な結末が、待っているだけ。
あぁ……これ、失恋、てことか。
ぼんやりと、そんなことを考えていた。