ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

すると、一瞬視線をそらした彼女の、シャープな横顔のラインに気づいた。
あれ……
「奈央さん、もしかして痩せた?」

『えっ……?』 
ビクッと一瞬、その視線がさまよったけど。

『あぁ、それじゃダイエット成功したんだ。よかった!』
にこっと笑う奈央さんは、もういつもの彼女で。
オレは深く考えずに「ダイエットなんて必要ないだろ」と苦笑した。

『だって、残業中はお菓子ばっかり食べちゃって。なかなか体重戻らないんだもの』
眉を寄せて言ってから、『あ、そろそろ行かなくちゃ』と時間を気にするそぶりをした。

「今日も撮影?」

『そう。新生活応援特集で、白物家電の広告。全5ページの大物なの!』

「そっか……がんばって」

『ん。じゃあまた明日ね』

笑って手を振る奈央さんに、手を振り返して。
スカイプの通信をオフにする。
真っ黒に塗りつぶされた画面を見つめ、そして椅子に沈み込んだ。

奈央さん、最近元気がないような気がする。

今、日本は……朝の7時半か。
毎朝のオレとの通信、実はつらかったりして?
無理、させてるのかな。

仕事も相変わらず忙しいみたいだし……。
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