ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

「はい?」

「失礼。単なるやっかみなので、気にしないでください」
唇の端が、少しだけ持ち上がった。

「やっかみ……?」
ますますオレは訳が分からなくなる。

すると、彼はさらりと続けた。
「実は僕、沢木さんのこと、何度かお誘いしたことがあるんですよ。デートにね」

は!?

みるみる剣呑に尖るオレの表情に気づいた彼は、
「いえいえ、見事にふられました」
と、肩をすくめて笑う。

「気になってたんですよね。彼女の心を独占してるのはどんな男なんだろうって。そしたらこんなイケメンのご登場で。納得しました。そりゃ離れていても彼女は絶対他の男になびかないって、自信もおありでしょう」

ドラマで主役が張れそうな整ったツラの奴にそう言われても、
イヤミにしか聞こえないんだけど。

「オレ、自信あるように見えますか?」
白けた気分で言う。

「見えますね」

メガネかけた方がいいんじゃねぇの?
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