ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

「やっぱりメインはガッツリ肉系がいいよなあ。あ、見て、これなんかいいんじゃない? ジューシーローストビーフ! ボリュームもたっぷり」

「ほんと! すっごくおいしそう〜! でも……なんか難しそうじゃないですか? オーブンって、わたし使ったことなくて」

「じゃ、これは俺の担当ってことでどう?」

「和馬さんの?」

「あ、何、その目。疑ってる? 俺ね、手前みそだけど、結構料理うまいんだよ」

奈央さんは明るく笑う。
「疑ってませんよ。噂は散々聞こえてきてますから」

「噂? へえ、どんなやつかな?」

「御社の営業部には、料理研究家の先生から後継者に指名されちゃうほどのプロ級料理男子がいるって」

「え〜? 一応営業成績もトップ独走中なんだけどなあ。そっちは広まってないわけ?」

「広まってませんねえ。あはははは」

なんだよ、この会話。
どういう……ことだよ。

「ね? いい雰囲気でしょ」
にんまり。ナディアがオレを覗き込む。
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