ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
もう、彼女を離すつもりはなくて。
離せるわけもなくて。
それは、絶対的な決定事項だったはずなのに。
何を迷ってる?
そのための準備も進めてきたんじゃないか。
行き先をカナダに変えたのは、何のためだ?
覚悟を、決めなくちゃいけない。
失いたくないのなら——。
オレは勢いをつけて起き上がった。
◇◇◇◇
向かった先は、トワズ新宿店だった。
店内に入るとまっすぐ、昨日見つけたリングの置かれたショーケースへと向かう。
すべてを打ち明けて、そしてプロポーズしよう。
一緒についてきてほしいと。
その時、あのリングを一緒に渡そうと思っていた。
思っていたのに——
「え……?」
ショーケースから、リングが……消えていた。