ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「どうなのさ? お前がそこまで入れ込むって、よっぽどイイんだろ? 忘れられないくらい。もったいぶらずに教えろって。なあなあ、なあなあっ」
「……知らねえよっ」
やけくそで言うと、ライアンがパチパチ、長いまつげを上下させた。
「は……? えっと……まさか、おまえ……その、まだヤッてない……とか?」
黙り込んだオレに、ライアンは「オーゴッド!」と絶叫した。
途端に、フロア中の視線が何ごとかと集まる。
げ。
うるせえ……マジ、勘弁してくれよ。
「なんで? なんでだよっ!? 病気か!? ドッキリ!? ジョークだろ!?」
「ジョークじゃねえよ!」
だって、だって……と、ライアンが頭を振る。
「あのタクミが……日替わりで別の女ベッドに引っ張り込んでたあのタクミが……まだ手を出してない……とか、ありえないっ!」
お前は日本人かっ!
なんでこんなにイマドキっぽくしゃべれるんだよ。
オレはがっくり項垂れて。
「さっさと仕事しろっ!」
そのフワフワとカールした頭をはたいた。