ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

強い、気持ち。
それは……間違いない。

どうしても、あきらめられなかった。

そうだ。
あきらめられるものなら、とっくにあきらめてた。
親父の話を聞いた高校生の時。
アメリカに渡った時。
一昨年、奈央さんに別れを告げた時。

何度もあきらめようとして。
それでも……できなかった。

オレの気持ちは、何度離れようとしても、同じ場所へ戻ってきた。

「大事なのは、何も隠さず向き合うことだ。何かを隠せば隠しただけ、本当の気持ちは伝わらなくなる。見えなくなる。不安な気持ちも、焦りも、そのまま伝えてみたらどうだ。大きくすれ違ってからじゃ、修正しようにもどうにもならないから。実体験に基づくアドバイスだ。貴重だぞ」

おどけるような、親父の言葉。
でもそれは、オレの心にジワリと浸透して
虚ろに揺らいでいたそこへ、確かな灯をともした。

そうだ。
もう一度……信じてみようか。

みっともなくても。
かっこ悪くても。
すべてをさらけ出して……。
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