ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
カアッと頬が熱くなるのがわかった。
くそっ……バレバレかよ。
おかしそうに顔をほころばせていた親父だったけど、ふと。その表情から笑みが消えた。
居住まいを正し、オレを正面から見据える。
オレもつられるように背筋を伸ばした。
「移民しようと、どこで生活しようと、それはお前たちの自由だ。もう子どもじゃないしな。ただ、彼女にプロポーズするなら、これだけは約束してくれ。絶対に泣かせたりしないと。あの子を愛して、きっと幸せにすると。……私が、できなかった分まで」
「わかってる……約束する」
オレがうなずくと、親父は満足そうに笑った。
バサッ……
突然背後からビニール袋の音がして、振り返ると……
「お袋っ」
華奢な姿が、ドアからのぞいていた。
「今の……どこから聞いて……」
近づくと、オレを見上げるその目に涙が浮かんでる。
……これは全部、聞かれてたな。