ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

『よくあるじゃないか、身体から始まる関係っていうやつ? 基本、そういうの好きじゃないんだけど、まぁ俺も結構限界きてるから。一度は強引にでも、分からせてあげようかなと。つらい遠恋なんかしなくたって、近くにこんないい男がいるよってね』

シュルっと衣擦れの音が、耳元で響いた。
何の……音……

『彼女、肌、きれいだよな』


どくんどくん……どくんどくん……


「お願い……します。……彼女に、触れるなっ」

『手を出さなかったのは、君だろう? 理解に苦しむけどね。こんなかわいい彼女を前にして、さ』

ギシッと……何かがきしむ音。
まさか、ベッド……?

『なんならこのまま通話中にしとくか? 知りたいだろ、彼女が男に抱かれて、どんな声で喘ぐのか……』

ブツッと、オレは通話を切っていた。
耳から毒を流し込まれたみたいに、呼吸が浅く不規則になっていく。

早く……早く、行かないと……奈央さんが……
でもどこへ、行けばいい?
一体どこに、奈央さんは連れ込まれたんだ!?
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