片想い
そんなバレンタイン当日、まずは同じ部署のみんなにお世話になってますとチョコを配る。一応森田にも渡す。

森田には本命チョコも用意していて帰りながら渡して告白しようと考えていた。

なのにこんな大切な日に残業になる本当にダメな私。

森田に

「残業になったから先に帰って良いよ」

と伝える。

「あぁ」

とだけ言われて私に興味ないのがひしひしと伝わりまた凹む。

バレンタインデーということもあり定時で帰る人が多い。

そして隣の森田も片付けを始めている。

すると

「森田さんももう帰りですか?

一緒に帰りましょう。

渡したいものがあるんです。」

とかわいい女子が声をかけてる。

それを睨むように見ている私。

それに気付き森田がにやっと笑って頭を叩き私に

「お疲れ。
残業がんばれよ」

と嬉しそうに言って女子と部署を出た。

凹んでいたがこのままでは仕事が終わらないと切り替え仕事に取り組む。

なんとかがんばって1時間くらいで終わった。

そして考える。

告白はどうしようか…このチョコもどうしようかと。

電話をしてあの女子と一緒にいると言われたらそれこそ立ち直れない。

今日は諦めてホワイトデーにしようかなぁ…
と悩んでいると

「まだ終わらないのか?」

と聞き慣れた森田の声が。

「どうしたの?」

「ステキなプレゼントを貰いに来た。」

と笑っている。

嬉しさのあまり森田に抱きついてしまった。

「好き」

と勝手に口が言っている。

すると森田が

「これがステキなプレゼント?」

「いやそうじゃなくて…あっでもそうかも…」

としどろもどろな私を見て森田が笑っている。

「確かにステキなプレゼントかもな。」

と今度は森田から抱きしめてくれた。

そして

「俺も」

とだけ言い私にキスをしてきた。
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