涙の駆ける空













その昼休みの事だった。



ガタン!

…痛い。

廊下で胸元を捕まれつき倒された。



「ねぇ!叶さん?奏太を誑かしてそんなに楽しかったの!?」



「どういうこと…ですか?」



「嘘つけ!分かってるんでしょ?奏太に叶ちゃんとか呼ばれる度に毎回ニヤついてるくせに!手を振ってもらう度喜んでるくせに!」


「…い、いや。」


「私には、奏太しか…いないのに!!」



その時の茉奈さんの表情はこの前とは違う
、とても冷酷で、それでありながらとても赤い目をしていて…。とても、寂しく冷たい顔だった。



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