愛しい君だった



ーーピーンポーン






家に着きインターホンを押す



緊張で胸がうるさい




「はーい!」



貂樹のお母さんの声とともに開けられたドア


そこには笑顔の貂樹のお母さん



「あら、和ちゃん!怪我はもう大丈夫なの?」



事故以前と変わらない態度に頭が真っ白になった




「ごめんね、お葬式とかで忙しくて、お見舞い行けなくて!

さぁ、あがってあがって!」





「あの…っ!」



思わず、声をかけた時



「お願い、あの子にあってやって?」




そう言われた。

少し寂しそうな声に喉が詰まった
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