愛しい君だった


通されたのは仏間



そこには貂樹のお父さんもいた



仏壇には私の大好きな人の写真


おばさんたちの前では泣かないと決めたのに


笑顔の写真に思わず泣きそうになる



「和ちゃん、よく来たね」



いつもは無口のおじさんが優しく声をかけてくれる



そんな声に謝らずにはいられなかった




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