愛しい君だった



「おじさん…」



「2人とも悪くない。

2人の “ 運 ” が悪かっただけさ。


でも、そんな中でも君を守ったあの子を僕たちは誇りに思うよ」




ポロっとひと粒だけ涙を流したおじさん



そんなおじさんにもう謝罪の言葉は出てこなかった



「あぁ!もう、お父さんも和ちゃんを泣かせないでくださいよ!」



ティッシュを持って来てくれたおばさんは


事故以前と変わってなくて


むしろ優し過ぎた



そんな2人にどうしても話しておきたかった



「私…意識を失っていた時、貂樹と会ったんです…」




あの世界でのことを…
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