ゼロ距離の攻防戦
“彼氏ができない”
これが問題である。
とにかく、私はモテない。つーか男というものに一切の縁がない。もう絶望的に。周りの友達は彼氏を作っており、高校のときの友達もさらっと彼氏を作っていた。なのになぜ私だけ……。最早なにを恨めばよいのやら。おかげで非リア歴=歳の数という非名誉的なレッテルが貼られている。解せぬ。このままいったら、私は何になるのだろうか?魔法使い?いやそれ笑えないから。
「はぁ……、いいことないかしら……。」
「あら、あーちゃん悩み事?ため息なんてついてー。」
「……淑乃〜…」
私のため息に反応してくれたのはサークルが同じ吉良淑乃である。あーちゃんとは私のあだ名で、安藤の“あ”を取ったものだ。ちなみに彼女、恐ろしいほどサバサバしている。
「淑乃聞いてよー。なんで私には運命的な出会いがないのかしらー」
「は?知らないっての。そんなこと悩む暇あれば出会いとやらを探しに行けばいいんじゃない?」
おわかりいただけただろうか。気持ちいいくらいにサバサバしていることを。