私を作る、おいしいレシピ

認めてほしい。
彼らといて、私がどれだけ救われてきたか。

ふたりに迎えてもらえることで、まるで家庭にいるような安心感を味わえたこと。
正論をかざすあなたたちがくれなかったものを、彼らはくれたのに、どうして私を救ってもくれなかったあなたたちが彼らを貶めるの。


「私はっ」

「……すいませんした」


反論しようとした私の声にかぶさるように、マコちゃんがなぜか謝罪した。同時に、イチくんが私の腕を引く力も緩む。

驚いて振り向くと、マコちゃんがイチくんの手を押さえている。驚いたようにマコちゃんを見つめ、イチくんは絶句していた。

マコちゃんは、私やイチくんとは目を合わさずに、先生に向かって軽い調子で言った。


「女の子いたほうが楽しいからさ。東條、一人飯食ってたし、巻き込んだの、俺。こいつは最初っから、コンロダメって言って嫌がってたし、怒らないでやって」

「おい、誠」

「うるさいよ、ハジメ。……せんせー、俺らには用ないんでしょ? もう行けば? 予鈴なったし。俺ら五限目サボるから」


マコちゃんが私の背中を押し、行けよと言わんばかりに顎をしゃくった。

私は、悲しくなって何も言えなかった。

かばってほしくなんてなかったのに。
一緒に怒られたほうが良かったのに。

マコちゃんは私を先生側の人間にするの?
やっぱり私では、ふたりの仲間には入れないの?

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